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マビノギブログ

くまさんサーバーの女帝こと時流さんが持ち前のドSな性格と執念をもってかき乱す物語。とりあえず、お前にレインボー。
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19:01
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2011/08/26
20:32
今更ながら世界観。

※ここに記載される事項はあくまでこのブログ限定の世界観です。『マビノギ』および配信元『ネクソンジャパン』とは一切関係ありません。


【トキール公とは?】

本名 トキール・ヴァルプルギス・フォン=ミュンヒハウゼン、エイリフ王国第1王女。聖歴1597年、同王国、ラフ王城生。
幼少の頃より、男児に恵まれなかったエイリフ王国の次期後継者として厳しく育てられるも、父である王の再婚相手、
マリア・ロゼッタストーン公爵夫人(未亡人)の連れ子に男児がいたため後継者争いを更に激化させることに。

上記の理由により、公式の場以外は常にエイリフ国軍の軍服を着用する男装の麗人。

何故暴君化したかは過去の記事を参照のこと。


【このブログの中でのエイリフ王国とは?】

元々は文民により統治させる理性的な法治国家であったが、先々代の国王の頃より他国の圧力に対応するため
(ゲーム世界ではイリアとウルラのみですが、このブログではウルラ大陸の更に北方(タルックマーがいるところの更に北)に大規模な異民族の国家が存在しており、その襲撃に備える意味合い)、強硬な軍拡路線を地でいく姿勢を取り、現在ウルラ大陸では最強の歩兵常備4個師団、騎兵常備2個師団を有する強国である。

錬金術の軍事転用をいち早く行ったり、機動兵器の研究も盛んで、多くの有能な学者や識者を国に受け入れている。
とりわけ『王政錬金術師』と呼ばれる者たちは、莫大な研究費用と各種特権を持ち合わせる、錬金術師の最高峰。

タルティーン正門前にて。















タルティーンは元々エイリフ王国の出城、城塞都市として発展した地域である。
エイリフ王国軍第2歩兵師団が常駐しており、この地から各地への遠征が行われるという。


ダンバートン城壁にて。















ダンバートンは古くよりウルラ大陸の商業の中心として発展し、また、その地域から各地への街道があることから(タルティーン・バンホール・ティルコネイル・イメンマハ)、交通の要衝として隊商が交錯するウルラのシルクロードの分岐点だった。
しかしその地の征服を欲するトキール公配下の軍団によって聖歴1617年初冬に攻囲を受け、翌年2月にエイリフに降伏。完全なる攻囲は糧食攻めの意味もあり、入城時40%の市民が餓死していたという。

そのため現在でもエイリフに対する反発は根強く、たびたび地下組織による補給部隊の攻撃や妨害が行われている。



ダンカン氏と。















ティルコネイルは古くから羊飼いや畑仕事で鍛えられた屈強な精神と、自然溢れる穏やかな環境で培われる人間性が歴史に名を残す戦士を大勢輩出してきた村である。前述の通りで名産品は羊の毛と各種農作物である。元々はダンバートンとの交易で財を成していたが、エイリフ王国にダンバートンが征服されてからは関所が設けられたため自由交易が行えなくなり、現在では生計を立てられず村を去るものも少なくないという。

ただこれをトキール公の策と見るものもいる。村長のダンカンがそれだ。

兵の供出を拒否したために村の女10人と司祭、修道女が焼き殺されたために未だにエイリフを憎んでおり、時こそ来ればダンバートン奪還のために兵を出すことを決めている。



 

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2011/08/26
11:43
トキール公暴君化に関する侍女長の報告書(抜粋)

【侍女長の証言】

 お嬢様はすっかり変わってしまわれました。
第3次コリブ渓谷防衛戦の最中の流れ矢を『義弟が武断派の自分を排除し文治派を台頭させるための暗殺計画だ』と思い込まれたお嬢様は、文字通りの文治派大粛清を指示。
身の危険を察した弟君は海を渡ったイリアに亡命。新政府樹立の手はずを整えるとの事です。

 城内は、とても酷いものです。
毎晩必ず一人は、メイドがお嬢様に殺されます。
目があったメイドが呼び出され、即座に部屋で試し斬りの的にされ、斬殺され、息があると臓腑を抉り斬られます。目をあわせ、目をそらしたものは暗殺を目論んでいる、毒殺を目論んでいるとあらぬ疑いを掛けられるのです。
昔、私やメイドを夜伽で愛してくださったお嬢様の姿はもうどこにもありません。眼帯の奥、どんな悪魔が棲み付いたというのか。誰もお嬢様に悪心など抱いてはいないのに。

 先日はティルコネイルのダンカン殿に村の14歳から40歳までの男性をすべて国軍に供出するように、と無理難題を吹っ掛け、ダンカン殿がそれをやんわりと断ると村の女10人を教会に集めて火を放ち焼き殺してしまいました。司祭とシスターエンデリオンは彼女らと運命をともに…。かくして段階的に村の男性を供出することを条件にこれ以上の虐殺を行わないことを約束しましたが、その帰り道『次はどのようにしてその約束を反故にしてやろうか…』と末恐ろしいことを仰る始末。

 国内の治安は悪化したわけではなく、こんな有様なのにむしろ秩序を保っています。ただそれは、国軍とその憲兵が常にギラギラと目を光らせ、何か妙なことが起こると簡単な裁判を経てすぐ絞首台に連れて行かれるからです。

 国内にはもはや、お嬢様を止められる人間はいません。りょーこ将軍もお嬢様の暴君化に呆れたのか、信頼する部下数名を連れ、国外に。いまや異民族とともにエイリフ転覆を考えているとも目されています。

tokirukizyou.jpg
















聖歴1622年初夏、エイリフ占領下のダンバートン郊外練兵場にて、閲兵を行うトキール公。
なお、この直後にダンバートンの過激派地下組織が暗殺未遂事件を起こし、ダンバートンの教会を始め、
主要なものが徹底的に破壊、捕縛、虐殺し尽されたという。

2011/08/25
00:55
戦場古写真。

久々の更新だこんちくしょう!相坂です。
さて、相変わらずマビノギで大暴れしている相坂ですが、ちょっとワケアリでイロイロ設定変わってるところがあるので、それだけちょっと書いていきたいと思います。

【トキール公、右目失明!】

 例の如く影世界で敵の襲撃を撃退していたエイリフ王国軍。その第1軍を直接指揮していたトキール公は、コリブ渓谷防衛戦の最中あろうことか味方の流れ矢を目に受けてしまう。ヘルメットのバイザーで何とか貫通は抑えられたものの眼球破裂による失明。

その結果眼帯を常時右目に付けるという女夏侯惇状態。ドレスを着ているときも眼帯を外せない有様になり、もはや公式の場所には姿を見せることが出来なくなったため事実上の王位継承権剥奪。義弟が王位継承権第1候補に。

もっとも、その代わり軍権を完全に掌握したため、いずれは王位簒奪を軍事力で行うつもりという相変わらずの鬼ですこの人 BYチビメイド

さて、そんな折撮影された古写真をご紹介!

今にも声が聞こえてきそう。











『で、未咲。いつまでこんなクソ下らない演習を見ていればいいの?』
『お嬢様はまだ傷を負われている身。しばらく我慢してくださいコノヤロウ』
『早く最前線に出たいの。あたしが王に相応しい身分だって知らしめるためにね』
『公では飽き足りませんか』
『当たり前じゃない。このまま閑職に追いやられるなんて真っ平よ』

聖歴1621年、エイリフ王国占領下のダンバートン郊外、練兵場にて撮影との事。詳細不明。
 

2010/11/30
01:19
プロローグ -Bloody berry3-

壁の血を未咲に拭わせる。彼女もさすがに『うげーめんどくせー。お前がやれー』と騎士に吼えていたが、それはそれ。仮にも客人だし、使用人がすべきことでしょ、ということで。

「んで、あたしを王様にしたい、ってか女王様か。して何を企んでいるの?」
「はっ。民心の安定と、精強なる国軍の士気と戦力の維持のため」
「そんなのに私のトキ姉を連れてかれるのはすごい腹立つんだけど」
「ぐっ」
さっきからこの押し問答の連続だ。
りょーこさんの心配もすごーく分かるし、あたしだってそこまで乗り気じゃない。正直あたしの幸せのために来たわけではなく、あくまで見たこともない連中のためにあたしを連れ帰るというレベルの話。そんなものに付き合う必要などない。
だが、こんな小さな家から、大きなお城に住み、自分の思うように国を動かせるというところに魅力を感じないわけでもない。食うに困るわけではないが、狭くてあまりモノが置けない家だ。そろそろ冒険の思い出も溜まってきているし、引越ししたいと思っていたところ。

うん、目先のモノに釣られそうです。
「それで、あたしにはどんなメリットがあるの?」
「はっ。無論国政は全面的に貴族がバックアップいたします。軍事も我々親衛隊が全力で補佐をいたしますゆえ、トキール殿には玉座に座っていていただければ」
「…ふぅん。お飾りね」
「平たく言うとそういうことでございます」
…。
面と向かって言われるとすんごい腹立つんですけど。
「じゃ未咲は?」
「あぁ、あの小さいメイドですか。残念ですが宮中には迎え入れられません。どう足掻いたところで俄か世話人とホンモノは違いますからな」
「…」
あ、未咲がブチ切れた。
「おんどりゃーさっきから聞いてればー!」
「はい、未咲クールダウン」
あたしが合いの手を入れるけど。
「黙ってらんないよ!だって、こいつ勝手に入ってきて壁汚した挙句この言葉だよ?いつものトキちゃんなら斬り殺してるところだよ!」
もっともだ。
さっき出会ったばっかりの人間にこの子とあたしの関係をかんたんに割り切られても面白くない。普通とは違う戦いを乗り越えてきた、いうなれば道を間違えれば二人とも浮浪児寸前の人間だったのだから。

 未咲と出会って、一緒に旅をして、もう5年。
たったの5年か、と数字で割り切るのはかんたんだけど、この小さな体の中の何処にそんなパワーがあるんだってことはあたしが一番良く知っている。何より、こんなかわいらしいチビをどこかのバカ野郎にくれてやるのは途轍もなくもったいないことに思える。だから。


「分かったわ。女王の話受けましょ」
「トキちゃん!」
「でもね、条件があるの。今から書くことを全部護りなさい。さもないとアンタは打ち首」
「!」
騎士を脅し、紙と羽ペンを未咲に用意させ、あたしはインクを羽先につけるのだった。


1.一条未咲を侍女長として雇用すること。
2.旧友との交友関係に一切口出ししないこと。
3.人事(特に登用と罷免)は一切任せること。
4.軍務の全権を委譲し、自らも前線に立つことを許可すること。
5.貴族などを用いた摂政制はこれを禁じ、三部会を招集すること。
6.衣食住の権利はもとより、国家を護る義務に対し、同等の権利で報いること。
7.ペット持込自由。
8.内政・外交は専門の部門を作り、広く情報を取り入れること。
9.既得権益はこれを再配分する。偏りなく磐石の国造りに全力を注ぐこと。
10.以上の条項に従えないものは即位式までに離反を許可する。ただし、その後に不必要な批判を行い民心を動揺させたものは外患誘致として弁解の余地なく断罪するためそのつもりで。


後に10か条の要求として語られるソレは、騎士に苦虫を噛み潰したような顔をさせるに十分だった。そして。
「トキちゃん、私」
「えぇ。問題なく連れて行くわ。安心なさい」
「トキ姉、私はー?」
「将軍職も視野に入れましょ」
「やた」
これくらい美味しいところ貰わなきゃ。これこそ勝利の余韻ってやつね。
「承知仕りました。ただし本国からの承認を待たねば。本日はコレにて御免」
「おっと待ちなさい。途中で破かれても困るし、これはダンカンじいさんのふくろう便で飛ばしておくわ」
「ぐっ」
この騎士、なかったことにするつもりだったな。

果たして後日、本国から10か条要求は承認され、あたしは晴れて一国の主となる運びとなった。アウグスタ1世の言葉を引用する。

---過去にこれほどまで恐れを知らない女はいなかった---


【次回】
なーんとなく薄っぺらく終わったプロローグ。そしていよいよ始まるときるん国盗り伝説。

2010/11/21
02:23
プロローグ -Bloody berry2-

 王の子はあっさりと見つかった。
王に孕まされ、隠滅するために国を負われた穢れた女は、やがて安住の地を見出し、そこで少女を産み落とした。使用人の生死はそこで途絶えてしまうのだが、それはさしたる問題ではないらしい。問題なのは、産み落とした子が今でも健在で、なおかつ、彼らの要求を受け入れるだけの器量を持った人間であるか、という一点に尽きる。
 正常に健康に育っていれば齢24。王となるには適齢であり、国民は新たなる若い王に狂喜するに違いない。そうすれば乱れつつある民心も落ち着き、この機に乗じて国を乱そうとするかぶき者たちも一掃出来る。すべてが万事解決するに違いない、アウグスタはそう見たのだ。
さっそく早馬を走らせる。馬上の騎士、パーンズワースは乗馬は初めてではなかったがもともと歩兵の出身。憧れだった騎馬に乗せてもらい、走れることに浮き足立っていた。だが王都タラから北限のティルコネイルまでの約5日の強行軍に、さすがに気が滅入り始めていた。馬はこの世界では一番速い乗り物だったはず。それが何故こんなに時間が掛かるのか。

 魔物たちだ。
正常だった動物達。何もしなければ危害は加えなかったのに、今では蹄鉄の音を聞くだけで驚き襲い掛かってくる。切り伏せ、黙らせるのに時間が掛かる敵もいた。そして夜には調子付いたゴブリンやコボルドが闊歩する。彼は決して弱いわけではないが、大群で襲い掛かられれば多勢に無勢、手も足も出ない。エイリフの騎士もここまで堕ちたか。彼は男泣きに泣きながら宿屋で過ごした。そのせいで遅れたなんて恥辱でしかない。彼は任務が失敗した暁には自決しようと考えていた。懐に潜ませている毒針は、イリアからの輸入品だ。沼コブラというとんでもない猛毒を持った蛇から採取した毒を塗りつけ、受ければ一撃で毒が回り死に至る。どっちにしても格好のいい話ではないが、生き恥を晒すならいっそ、可愛がってくれた王に殉死しよう。そうして馬を走らせここまで来た。

目指す、1軒の家の前へと。


------

 「未咲。火を消しなさい」
「え、まだ寝るには早いし…脱ぐのもまだ早いよ」
「黙って火を消せチビ。串焼きにするわよ」
「う」
あたしがいつも背中から下げている赤いドラゴンブレイド。庶民が持てる剣ではない、というのはダンバートンのスチュアート先生の弁。そんなもの知ったことではない。気がついたら家にあって、何気なく使っていたんだから。未咲程度の子なら一撃で串刺しにしてそのまま美味しくいただくことが出来る。でも出来たらベッドの中で美味しくいただきたいから、それはなしにしよう。もとよりする気は更々ないし。
未咲が不満そうにろうそくの明かりを全部消したとき、遠くに響いていた馬蹄の音が止まった。馬を人の家の前につなぐ者が一人。音からして鎧か何かの重武装だ。殺しに来たにしては間抜けすぎるし、何より恨みを買った覚えもなければ礼儀知らずに付きまとわれる理由もない。あたしも有名になったのだろうか。いやきっとそれはない。
『御免!』
ドアを叩く音。
男だ。男に用はないわ。帰れ。それか馬にロープかけて首吊れ。
「トキちゃん、居留守?」
未咲が不思議そうに聞く。
「鎧着た男に殺される理由も追われる理由もないもの。無視」
「うん」
静寂。しかしそれはすぐに破られる。
「ぐっ!」
外で鎧武者が呻く音。何事か。背中の剣を抜き、ドアに向け牙突の姿勢を取る。いつ相手が、そう、鎧武者かそうじゃないかは分からないが、それが突撃してきてもいいように。

バタンッ!
開かれるドア。そして。
「やーやートキ姉!でっかいおでん種が聞き耳立ててたからとっ捕まえたわ!」
「りょーこさん!」
「だからまずはその剣仕舞ってよw」
相手が見知った顔だからもう大丈夫だ。剣を背中の鞘に戻す。そして鎧武者に歩み寄り。
「食いちぎられるのとすべてを白状して犬の餌になるの、どっちがいい?」
「どっちにしろ死ぬじゃないかソレは!」
「黙れ痴漢。ダンバートンの中央広場に似顔絵貼りまくるぞ」
「横暴だ!」
あたしの脅しにもコレだ。よし決めた。全裸で放置プレイしてやろう。
そう心に誓ったとき、騎士の力ががくん、と抜ける。
「!」
「おでん種はまずシメてからアク抜きしないとね」
「どういうおでんよ」
思わず突っ込んでしまったが、口数の減らないこのバカ野郎にどうやら先にりょーこさんがキレてしまったらしい。

新谷りょーこ。彼女もまた独特の人間だ。流浪の剣士だったはずが気がついたらこんなところに流れ着いていたものの、住み心地が良くて今でも居ついているらしい。性格は見てのとおりおおらか。だが剣を握らせればそれはそれは敵にとって『ロクでもないこと』になる。新しくはダンバートンに反乱を起こした盗賊ゴブリン100人のど真ん中に突入し無傷で皆殺し。命乞いをする盗賊ゴブリンの首領の頭を串刺しにしてダンバートンに帰還したことから『串刺し将軍』の異名を持っている。
そんな彼女をキレさせたとなれば。

「人ん家に聞き耳立てて槍なんか構えるなんてふざけた真似して。気分悪いわ」
「くっ!貴殿には関係なかろう!私はこの家の住人に用があるのだ!」
「その住人の知り合いだから穏便に済ませようと思ったけど、首斬られたい?」
だからそんな幅広ナイフを抜かないでよ。地味にそれ痛いんだから。
りょーこさん、目が据わってる。きっとここに来る前に飲んだな。
「まーまーお茶でも飲もうよりょーちん。トキちゃんにも入れるね」
で、マイペースな未咲。でもちゃっかり酔い覚ましのお茶だから空気は読めてる。
「騎士さんもお茶飲んでけー。そしてさっさとおとといきやがれー」
「ムチャクチャな言葉使わないの」
そして、いい加減動きの鈍くなった騎士をイスに放り投げジャーマンしたりょーこさんが彼女の定位置…テーブルのあたしの向かって右手側に座る。騎士はちゃっかり下座。未咲がろうそくとランタンに火をつけると、あたしの左手側に座る。


 「で、用事って何?つまらない内容ならクビ斬りおとしてクソ流し込む」
「トキちゃん下品ー」
いいじゃない。世の中にはそんな性癖の人が
「いないから」
「あ、そう」
話の腰折られた。凄い不愉快。
そんなのよそにりょーこさんが続ける。
「あのね。エイリフの騎士ってのは良く分かるの。でも相手の家に突然現れて、用事があるんだ話を聞け!ってのは横暴でしょ。相手が相手なら斬り殺されても文句は言えないわ」
「…確かに礼を失していた。すまない」
頭を下げるが。
「下げる相手が違う。ここの家主は上座のあの子よ」
「!」
「ではトキール殿とは貴殿か!」
「えぇそうだけど」
普通に返した。リアクションがどうか楽しみ。
「てっきりそっちの銀髪の少女のほうが貴族的だったのに、よもや主がこんな野暮ったい格好の人間とは・・・いやしかし、致し方あるまい。連れて帰るのがわが勤めか」
何さらりと失礼なこと言ってやがるこの騎士。決めた、今斬り捨てる。
剣に手をかけると同時に彼が地面に伏せる。
「何の真似よ」
「おぉ、我が救世主、我が王よ!我らをお導きください!」


気が狂った?
気が狂ってるわね。
よし、食っちゃおう。
3人の意見が一致し、全員武器を抜く。
「ちょwwwww」
「どっかのいけ好かないクソガキみたいなリアクションするな!」
りょーこさんの前で『ちょw』は使っちゃダメよ。イロイロ思い出すらしいから。
「いいから大人しく斬られなさい。ワケのわからない男を生かす義理なんて、あたしには無し」
「だから話を聞いてください!話さえ聞いてくれればいくらでも殴られますから!」
「いいえあたしは斬りたいの」
「死ぬだろソレ!」
バカにつける薬は死しかないのよ。冷静なあたしは剣を振り下ろして…。
「でもこの銀の筒は素敵ね。貰うわ」
「あ、それは!」
…。
中には、紙切れ。
……あたしの住所と氏名と生年月日?
「どういうこと?」
「え?」
「分かったわ!あんたあたしのストーカーでしょ!」
「何故そうなる!」
だって。
「スリーサイズを知りたくて直接聞きに来たとか!」
「バカとしか思えねぇ!」
「バカとはなによバカとは!」
もういい、こいつ斬る。
しかし、その書簡の中に見つけた言葉に、あたしは続く声を失った。
「…カルパッチオ13世の…隠し子?」
「…その通りです、トキール様。お迎えに馳せ参じました。どうか王よ、我らをお導きください」
…。
「この期に及んで今度は女王様プレイ?高いわよ」
「誰だこんなアホの子産んだのwwww」
次の瞬間、鮮血が放物線を描いて壁に命中したのだった。

【後半に続く】


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下書きっぽい何か。でも訂正は基本しないかも。殴り書き。

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