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マビノギブログ

くまさんサーバーの女帝こと時流さんが持ち前のドSな性格と執念をもってかき乱す物語。とりあえず、お前にレインボー。
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[05/30 相坂 時流]
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2010/11/30
01:19
プロローグ -Bloody berry3-

壁の血を未咲に拭わせる。彼女もさすがに『うげーめんどくせー。お前がやれー』と騎士に吼えていたが、それはそれ。仮にも客人だし、使用人がすべきことでしょ、ということで。

「んで、あたしを王様にしたい、ってか女王様か。して何を企んでいるの?」
「はっ。民心の安定と、精強なる国軍の士気と戦力の維持のため」
「そんなのに私のトキ姉を連れてかれるのはすごい腹立つんだけど」
「ぐっ」
さっきからこの押し問答の連続だ。
りょーこさんの心配もすごーく分かるし、あたしだってそこまで乗り気じゃない。正直あたしの幸せのために来たわけではなく、あくまで見たこともない連中のためにあたしを連れ帰るというレベルの話。そんなものに付き合う必要などない。
だが、こんな小さな家から、大きなお城に住み、自分の思うように国を動かせるというところに魅力を感じないわけでもない。食うに困るわけではないが、狭くてあまりモノが置けない家だ。そろそろ冒険の思い出も溜まってきているし、引越ししたいと思っていたところ。

うん、目先のモノに釣られそうです。
「それで、あたしにはどんなメリットがあるの?」
「はっ。無論国政は全面的に貴族がバックアップいたします。軍事も我々親衛隊が全力で補佐をいたしますゆえ、トキール殿には玉座に座っていていただければ」
「…ふぅん。お飾りね」
「平たく言うとそういうことでございます」
…。
面と向かって言われるとすんごい腹立つんですけど。
「じゃ未咲は?」
「あぁ、あの小さいメイドですか。残念ですが宮中には迎え入れられません。どう足掻いたところで俄か世話人とホンモノは違いますからな」
「…」
あ、未咲がブチ切れた。
「おんどりゃーさっきから聞いてればー!」
「はい、未咲クールダウン」
あたしが合いの手を入れるけど。
「黙ってらんないよ!だって、こいつ勝手に入ってきて壁汚した挙句この言葉だよ?いつものトキちゃんなら斬り殺してるところだよ!」
もっともだ。
さっき出会ったばっかりの人間にこの子とあたしの関係をかんたんに割り切られても面白くない。普通とは違う戦いを乗り越えてきた、いうなれば道を間違えれば二人とも浮浪児寸前の人間だったのだから。

 未咲と出会って、一緒に旅をして、もう5年。
たったの5年か、と数字で割り切るのはかんたんだけど、この小さな体の中の何処にそんなパワーがあるんだってことはあたしが一番良く知っている。何より、こんなかわいらしいチビをどこかのバカ野郎にくれてやるのは途轍もなくもったいないことに思える。だから。


「分かったわ。女王の話受けましょ」
「トキちゃん!」
「でもね、条件があるの。今から書くことを全部護りなさい。さもないとアンタは打ち首」
「!」
騎士を脅し、紙と羽ペンを未咲に用意させ、あたしはインクを羽先につけるのだった。


1.一条未咲を侍女長として雇用すること。
2.旧友との交友関係に一切口出ししないこと。
3.人事(特に登用と罷免)は一切任せること。
4.軍務の全権を委譲し、自らも前線に立つことを許可すること。
5.貴族などを用いた摂政制はこれを禁じ、三部会を招集すること。
6.衣食住の権利はもとより、国家を護る義務に対し、同等の権利で報いること。
7.ペット持込自由。
8.内政・外交は専門の部門を作り、広く情報を取り入れること。
9.既得権益はこれを再配分する。偏りなく磐石の国造りに全力を注ぐこと。
10.以上の条項に従えないものは即位式までに離反を許可する。ただし、その後に不必要な批判を行い民心を動揺させたものは外患誘致として弁解の余地なく断罪するためそのつもりで。


後に10か条の要求として語られるソレは、騎士に苦虫を噛み潰したような顔をさせるに十分だった。そして。
「トキちゃん、私」
「えぇ。問題なく連れて行くわ。安心なさい」
「トキ姉、私はー?」
「将軍職も視野に入れましょ」
「やた」
これくらい美味しいところ貰わなきゃ。これこそ勝利の余韻ってやつね。
「承知仕りました。ただし本国からの承認を待たねば。本日はコレにて御免」
「おっと待ちなさい。途中で破かれても困るし、これはダンカンじいさんのふくろう便で飛ばしておくわ」
「ぐっ」
この騎士、なかったことにするつもりだったな。

果たして後日、本国から10か条要求は承認され、あたしは晴れて一国の主となる運びとなった。アウグスタ1世の言葉を引用する。

---過去にこれほどまで恐れを知らない女はいなかった---


【次回】
なーんとなく薄っぺらく終わったプロローグ。そしていよいよ始まるときるん国盗り伝説。
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かんそー
2010年12月03日金

何か姉さん達の、世紀末救世主伝説が読めそうな予感w 本当のティルナノーグはエリンにやってくるのかw 刮目して見るべし。

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