2024/04/26 01:54 |
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2012/05/28 00:30 |
侍女長の日記 -4 |
今更、何を憂う事があるか。
私が愛したお嬢様はもういない。アレは獣、哀れな野獣。
事件は、ある晩餐のときに起こった。
同志を殺され、トキール公を憎む将軍たち、ベルクマン中将を中心とするグループが、
彼女の暗殺を目論んだのだ。
その時彼女は将軍や錬金術師からなる有識者たちと食事をしながら会談中。
そこを愚かにも付けねらったのだ。
運ばれてくる料理。其の中に潜む爆弾。
起爆予定は、お嬢様が蓋を持ち上げた瞬間。
その筈だった。
「…ん」
何かの違和感を感じ、それを不意に蹴る彼女。
蹴ったカートはそのままベルクマンの座る右翼9席目でちょうど停止し。
青ざめる反逆者、直後に投げられる剣。それは中の爆弾を蓋ごと突き破り。
起爆。飛び散る肉片、骨片、ハラワタ。
「やはりそのような考えを持っていたか。有識者が聞いて呆れる。命知らずめ」
その部屋にいた者たちは、計画への加担の有無関係なく瞬時に斬り捨てられ、彼女を除き、
誰もその部屋から出てくることはなかった。私の部下のメイド5人も、巻き添えで斬殺。
軍部の反体制派粛清はこれまで以上に熾烈と死臭を極めることとなる。
まず、国軍の背骨とまで称された国軍最高司令官、ロルベーア元帥が陵遅刑、それも生きながら
まずは手の指と足の指を一本ずつ切り落とされ、野犬や野良猫に食わせるという残虐な処刑法を
用いた。次第にそれは手足へとエスカレートし、ふくらはぎの肉を切り取って乞食に食わせるなど
激痛で気が狂い、目の前の惨禍で頭が吹き飛ぶような凄惨さの後、気を失ったところを首を刎ね、
この世に永遠の別れを告げさせた。
また、このロルベーア元帥の家族とその親族三親等以内はすべてその日のうちに捕らえられ、
火あぶりの刑となった。まだ生まれたばかりの娘だけは、と動揺する声があったが、例外なく
首の骨を折り、そのまま焔の中へ放り込まれた。
そして三親等から幸運にも外れた者達も、エイリフ国外への退去を命ぜられ、財産は没収。
フォン=ロルベーア家、ミュンヒハウゼンと並ぶエイリフ最古の貴族は、こうして血塗られた最期を
静かに、厳かに迎えるに至った。
同様の処刑は国軍参謀本部や国軍諜報部など重要機関に徹底して行われ、人民裁判が
盛んに開催される。最終的に粛清された軍関係者は将官15名、高級将校66名、将校155名、
一般兵卒(下士官兵)580名に登る。中には暗殺計画と知らず上官に脅され参加させられた、
入隊したばかりの16歳の二等兵もおり、これには弁護士もついたが、人民法廷はそれを認めず、
結果として彼は刑場の露と消えた。
メイドも同様だ。
これを好機とばかりに、お嬢様は総勢120名、一個中隊にも相当するメイドたちの整理に移る。
こと素行不良の者たちは解雇ではなく、戦功を挙げた兵士の妻として払い下げる。
それならまだいい。
そのような処遇に不満を持つメイドはみな縛り首。死ぬくらいならイヤでも結婚するしかない。
こうしてメイドも少数精鋭に変貌していく。
厄介払いが終わる頃、トキール公は新たな侵攻作戦を全軍に布告する。
『逆賊ダンバートンを攻囲せよ。逆賊に死を』
所謂ダンバートン包囲戦。ウルラ大陸城塞都市包囲戦史上最悪の、餓死率75%を叩き出した、
悪魔のような戦いが始まろうとしていた。
私が愛したお嬢様はもういない。アレは獣、哀れな野獣。
事件は、ある晩餐のときに起こった。
同志を殺され、トキール公を憎む将軍たち、ベルクマン中将を中心とするグループが、
彼女の暗殺を目論んだのだ。
その時彼女は将軍や錬金術師からなる有識者たちと食事をしながら会談中。
そこを愚かにも付けねらったのだ。
運ばれてくる料理。其の中に潜む爆弾。
起爆予定は、お嬢様が蓋を持ち上げた瞬間。
その筈だった。
「…ん」
何かの違和感を感じ、それを不意に蹴る彼女。
蹴ったカートはそのままベルクマンの座る右翼9席目でちょうど停止し。
青ざめる反逆者、直後に投げられる剣。それは中の爆弾を蓋ごと突き破り。
起爆。飛び散る肉片、骨片、ハラワタ。
「やはりそのような考えを持っていたか。有識者が聞いて呆れる。命知らずめ」
その部屋にいた者たちは、計画への加担の有無関係なく瞬時に斬り捨てられ、彼女を除き、
誰もその部屋から出てくることはなかった。私の部下のメイド5人も、巻き添えで斬殺。
軍部の反体制派粛清はこれまで以上に熾烈と死臭を極めることとなる。
まず、国軍の背骨とまで称された国軍最高司令官、ロルベーア元帥が陵遅刑、それも生きながら
まずは手の指と足の指を一本ずつ切り落とされ、野犬や野良猫に食わせるという残虐な処刑法を
用いた。次第にそれは手足へとエスカレートし、ふくらはぎの肉を切り取って乞食に食わせるなど
激痛で気が狂い、目の前の惨禍で頭が吹き飛ぶような凄惨さの後、気を失ったところを首を刎ね、
この世に永遠の別れを告げさせた。
また、このロルベーア元帥の家族とその親族三親等以内はすべてその日のうちに捕らえられ、
火あぶりの刑となった。まだ生まれたばかりの娘だけは、と動揺する声があったが、例外なく
首の骨を折り、そのまま焔の中へ放り込まれた。
そして三親等から幸運にも外れた者達も、エイリフ国外への退去を命ぜられ、財産は没収。
フォン=ロルベーア家、ミュンヒハウゼンと並ぶエイリフ最古の貴族は、こうして血塗られた最期を
静かに、厳かに迎えるに至った。
同様の処刑は国軍参謀本部や国軍諜報部など重要機関に徹底して行われ、人民裁判が
盛んに開催される。最終的に粛清された軍関係者は将官15名、高級将校66名、将校155名、
一般兵卒(下士官兵)580名に登る。中には暗殺計画と知らず上官に脅され参加させられた、
入隊したばかりの16歳の二等兵もおり、これには弁護士もついたが、人民法廷はそれを認めず、
結果として彼は刑場の露と消えた。
メイドも同様だ。
これを好機とばかりに、お嬢様は総勢120名、一個中隊にも相当するメイドたちの整理に移る。
こと素行不良の者たちは解雇ではなく、戦功を挙げた兵士の妻として払い下げる。
それならまだいい。
そのような処遇に不満を持つメイドはみな縛り首。死ぬくらいならイヤでも結婚するしかない。
こうしてメイドも少数精鋭に変貌していく。
厄介払いが終わる頃、トキール公は新たな侵攻作戦を全軍に布告する。
『逆賊ダンバートンを攻囲せよ。逆賊に死を』
所謂ダンバートン包囲戦。ウルラ大陸城塞都市包囲戦史上最悪の、餓死率75%を叩き出した、
悪魔のような戦いが始まろうとしていた。
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無題
2012年05月28日月
ついにだんばきたー。
つか残ったメイドは本当に優秀なんだろうね。
みさが斬られないのが不思議
Re:侍女長の日記 -4
2012年05月30日水
みさ=愛玩動物だから斬られない
ヒトラーのブロンディと同じ展開。
メイド隊は再編成を受けて120名⇒60名。
半分になったけどその分優秀。
…やっぱり斬られるけどry
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