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マビノギブログ

くまさんサーバーの女帝こと時流さんが持ち前のドSな性格と執念をもってかき乱す物語。とりあえず、お前にレインボー。
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[05/30 相坂 時流]
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2018/08/19
16:46
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2013/04/01
00:49
侍女長の日記 -7

ダンバートンは最早、街の様相を呈していなかった。
かつては金銀財宝に溢れ、この世の富と財のすべてが集まったかのような絢爛豪華な東西南北の
飾り立てられた門はすべて閉ざされ、そこからは誰も出てこない。
時折、守備隊の兵士が攻囲している我が軍に向かい投石を行うが、最早無意味。
出てきた瞬間狙撃され転落する。何人もそんな哀れな死体を見てきた。

 戦が始まって10日目、死んで疫病を発症し始めている牛を遠投投石器で投げ込んだ効果が
徐々に現れ始めているらしい。疫病が蔓延し、ダンバートン備蓄の医薬品では足りないそうなのだ。
まず老人や女子供が感染する。体中に恐ろしいほどのブツブツが現れ、それから血を噴き出し死ぬ。
元々ウルラ大陸には存在しなかった疫病だけあり、抗生物質では何の役にも立たない。
街中が死体だらけになり、人々は疫病への感染を恐れ、遺体を埋葬しようとしない。
それがどんなに親しかった人でも、家族でも尚更だ。
時折降り注ぐ砲弾もそれを邪魔するのだろう。
城門は開かない。いや、開けないに違いない。もう開くような屈強な守備兵がいないのだから。
今やダンバートンは飢えと病の街に変貌している。噂によればデトワイラーは部下や家族を見捨て、
愛人とともにカブ港に逃れ、そこからベルファスト自治領へと逃避行したそうな。
つまり、城壁内は既に、厭戦ムードどころか、統制の取れていないゴミ共しかいないことになる。
だかここに来て公は攻撃の命令を下さない。
『畏れながら申し上げます!今突撃の号令を御下命下されば、こんな街一捻りです!』
第1師団長、フリードリヒ=フォン=ザルツベルグ大将の進言は、公の一言で白紙撤回された。

『謀叛とはどのような結末を迎えるのか、骨の髄まで分からせ、二度と反逆しないように教育しているのだ』


 不思議なことに、疫病は我が兵士には蔓延しなかった。
公は恐らくこの病の正体をご存知に違いない。何故ならすべての兵士に薬を飲ませた。
逆らい、飲まなかった兵士を銃殺刑に処してまで。
だから攻囲中も部隊は気楽なもので、酒も振舞われるし毎日が宴会騒ぎ。
旨そうな匂いに当てられて顔を出した敵兵は、いつもの如く撃たれ転落する。


 そんな不気味な日々が続いたある日のことだった。
『閣下、旗です。旗色は白旗、降伏の模様』
伝令が公に伝える。既にやせ細り、旗を持つ腕もおぼつかない敵兵が、白旗を振るのが、
本陣からも良く見えた。久々に雨が上がった、そんな昼過ぎのことだ。
誰もが城門の開放を待ち構え、突撃準備をしていたときだった。
『重砲部隊に伝令。砲撃開始、全市攻撃、都市ごと粉砕せよ』
突然の砲撃命令に、その場にいた第1師団参謀長ゲオルグ=フォン=ドルツ中佐は聞き返した。
『砲撃ですか?しかし敵は』
言葉は続かない。
いつの間にか抜き放たれた公の刃が、彼の首を落としていたから。
『何をしている。重砲部隊にさっさとケリを付けろと命じよ』
動揺する司令部。幕僚たち。
『降伏を示す余裕があるということは、まだ生きている者が大勢いるということだ。殺し尽くせ』
『…』
東洋では、彼女のような人間を『悪鬼羅刹』と呼ぶそうだ。
まさか、そんなものにこんなところでお目にかかれるとは。


 砲撃命令から30分後。
最新鋭の203粍重加農砲、15門が一斉に火を吹く。
その振動ははるか後方、オスナサイルの崖を崩すほど激しく、着弾の衝撃は、爆風となり
攻囲部隊を襲う。都市区画はたった15発で灰燼に帰し、うめき声と絶叫が木霊する。
崩れた城壁の間から、まだ動ける一般人が飛び出してくる。自由だ!やった!と叫びながら。
だが目の前に展開した、人を撃ち殺す快感を覚えたケダモノたちは、容赦ない一斉発射を浴びせる。
最新鋭銃器、マキシム軽機関銃が火を吹くたび、市民が一人また一人と地面に倒れる。
迫撃砲は水平発射を試み、四肢は木っ端微塵に粉砕される。
その猛烈な銃声に飛び出そうとした市民は撤退した。
たった一人を除いて。
『フランツ!フランツ!何処にいるの!』
恐らく息子を探す母親だろう。硝煙煙る中を何も知らず飛び出してきた女は。
『撃つな!』
『小隊長!』
ある小隊長は、部下に撃つなと命令した。
『子供が生きているかもしれない。せめてもの情けだ。撃つな』
件の女は、確かにフランツを見つけたようだ。地面に折れて泣き崩れて。
それは、迫撃砲で木っ端微塵にされた、胴体の一部だったに過ぎないが。
『…もう生かす必要もなくなった、子どものところに送り届けてやれ。てーっ!』
迫撃砲が一発、水平発射。
母親は、子どもの亡骸もろとも、骨も遺さず爆散した。


 圧倒的な攻撃は2時間弱続き、およそ生きている人間は殺し尽くした。
残るは今にも死にそうな病人と飢え死に寸前の弱者。
情けも容赦もない公の判断は、次なる作戦へと進む。
『ここまで持ちこたえるという事は、地下組織がいる可能性もある。くまなく調べよ』
標的は、意図的に目標から外していたダンバートン教会。
敵中斬り込み部隊、100人は城壁のスキマから、闇夜に紛れ突入していくのだった。
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2011/09/14
10:54
第2話 -Deadly more better-

 コリブ渓谷の戦いから更に2週間の時間が流れた。
鎮撫隊がタルティーンとその周辺のインフラを完全に鎮圧・確保し、タルティーン公の資産をすべて押収。
トキールの指示によりタルティーンはそれまでの城塞都市からさらに防御を強固なものにした『要塞』に。
烽火台も四方に増設され、敵の襲撃に備えエイリフ国軍の歩兵師団が駐留を開始した。

 そんな折だった。
「ほう。まだこの近辺にも骨のある諸侯がいたなんてね」
司令部にて、届いた書類を一枚一枚確かめつつ、気になるソレを見つけたトキールがほくそ笑む。
「はっ。心底腐り切った最低の軍団です。いかがいたしましょうか」
その書類というのは、制圧の完了したタルティーンの郊外に『自由都市ダンバートン』の領主、マックス"フュルスト"デトワイラーの
雇われ義勇軍1000名が突如駐屯を開始したというものだった。
「デトワイラーめ。おおかた、ダンバートンを攻めるなという意思表示か、この気に乗じてタルティーン銀鉱でも攻める気でしょ」
「はっ。向こうからは鎮撫に協力するという意思表示がありましたが、その割行商を襲い売り上げや物資を奪っております」
デトワイラーは筵折りの貧乏行商から身を興し、当時まだただの平原だったダンバートンに商人ギルドを設立。
破格のロイヤリティで商人たちを苦しめながらダンバートンを文字通りの自由商業都市に育て上げた男だ。
「汚い商売しながら自らをフュルスト(侯爵)だなんて。どこまで小児病なのよ」
書類の下には、こう追記する。
『逆賊に死を。エイリフ国軍第2歩兵師団に出動を命ず』
無論、署名と王の印璽が押された瞬間、それは絶対的な命令となる。
書簡はその日のうちに早馬でタルティーンに届けられ、第2歩兵師団長 ゲオルグ・アレクサンダー・フォン=メレンドルフは師団に出動を命令。
ネア湖目前の前線にキャンプする雇われ義勇軍の目前に迫るよう指示した。


 「親分、誰か来やすぜ!」
「うるせぇっ、いまいいとこなんだよ!」
行商人の娘を強奪し、フックカットラスを首に突きつけながら犯す義勇軍の親玉。
膣にありったけの精を放ち、そのまま首を掻っ切って殺す。
「孕まれても困るからな。クハハ」
まだテントの前には裸で縛られた娘が4人。犯すメスはまだいる。笑いながらその娘の亡骸を蹴り飛ばし、
皮袋から、娘の血より薄い赤のワインを器に注ぐと。
「ナニをのんきなことを!すんげぇのが来ましたよ!」
「アホかぁ。俺たち1000人の義勇軍様の前に敵は…ッ!」
商人から強奪した双眼鏡を覗く親玉。その光景に唖然とする。
数千の松明が灯され、その大軍が義勇軍の正面に押し寄せてくる。既に右翼前曲に展開していた義勇軍200『匹』は
虐殺を開始されており、逃げ惑うもの多数。雨あられと降り注ぐ火矢が前線のキャンプを焼き払い、体中矢だらけの
ハリネズミにされた兵が逃げ惑う。それを笑いながら斬り殺す狼たち。彼らの黒い軍服は。
「…エイリフだ。エイリフ国軍だ!」
槍(パイク)兵が槍衾突貫を繰り返し、ホンモノの戦争に慣れていない義勇軍は次々敗走。右翼は完全に崩壊する。
土下座して降伏を申し出る右翼指揮官は瞬時に首を刎ね飛ばされ、商人の娘と同じ末路をたどる。足蹴にされる、首のない死体。
その兵力、師団兵力の本部防衛戦力を除いたとしても、8500人。
更に左翼からは最新式の鉄砲『ゲベール』を大量に装備した近衛猟兵第10連隊-ファランクス・イェーガー-が強襲。
左翼に展開していた義勇軍は右翼・本陣隊と違い常に戦線の前方で奮闘していたため戦闘経験も豊富にあったが、
激しい音とともに飛び交う鉛弾の前には。
次々に死傷者を出す中、前線と本陣の中腹に砲撃が始まったのは、2315時のことだった。
「黄燐弾だ!」
「燃える!燃えるゥ!」
黄燐と油脂が放つ強烈な臭いとともに、前線と後方を保つための補給路が炎の壁で分断される。
既にこの時間で前線の両翼は壊滅的打撃を負い撤退中。だが撤退を許さないこの焔の壁と、迫り来る精鋭。
投降を決めた左翼指揮官もまた、先の右翼指揮官同様、剣でそのカラダを木に串刺しにされる。
「お、親分、逃げましょ。このままじゃ、このままじゃ…」
「お、おう、おう…」
所詮部下はデトワイラーから貰った雑兵だ。補充は効くし、姿くらませばこっちのもの。
だけど、腰が抜けて立ち上がれない。動きたくても動けない。黄燐弾は次々に打ち込まれ、その有毒ガスで声も出ない。
「お、やかた…」
ドサッ。部下が一人、また一人倒れていく。最悪なことにこちらは風下。有毒ガスから逃げる術などなく。
「う、おおおお…」
顔がたちまち青くなり、そして。
彼もまた、ピクリとも動かなくなった。


 「フュルスト、何か届いていますよ」
「おうおう。商人からの貢物だろう。よきに計らえ」
「はっ。では…」
丁寧に包装された何かのビンのリボンを解くと…。
彼は、顔面蒼白になった。
「…」
嘔吐。
義勇軍の親玉の首級が、ホルマリン漬けで贈られてきたのだから。
『臣下の礼を取らぬ逆賊は、このような目に遭うことになる。今すぐ恭順せよ』
トキール直筆の手紙が彼の眼に入ると、エセ侯爵は顔を真っ赤にして。
「抵抗じゃ!徹底した抵抗じゃ!」
書簡を破り捨てる彼。しかし、命知らずに付き合う義理はない。
その晩のうちに、彼の側近の半数が、家族をつれダンバートンを離れたという。


【戦闘詳報】

参加部隊:エイリフ国軍第2歩兵師団および近衛猟兵第10連隊 総数10200名
       戦死:6(ただし味方の誤射によるもの4名)、負傷50名、行方不明:0名

敵戦力:ダンバートン雇われ義勇軍 総数1000名
     戦死:966名、捕虜4名、行方不明:30名

1915時 戦闘開始。
1944時 右翼前曲の雑兵壊滅。

2032時 左翼全面が近衛猟兵の攻撃を受け敗走開始。
2122時 両翼が壊滅し敗走を開始。

2248時 砲兵隊に黄燐弾が到着、前線の全兵力に後退を下命。
2250時 その様子を見た生存部隊の一部が国軍に反撃、同士討ちが一時発生する。

2315時 黄燐弾第1弾が前線と後方を分ける細道に着弾。
2338時 この頃、本陣周辺にも黄燐弾が着弾。本陣にいた者たちはこの前後に死亡したものと推測される。

0218時 生存していた義勇軍生存者4名が降伏し、戦闘終了。

2011/08/30
01:56
第1話 -Deadly bloody-

 軍部がエイリフ王国の全権を掌握し、一月が経った。
『臨時ニュースをお伝えします。臨時ニュースをお伝えします。コリブ渓谷でエイリフ国軍に対し最後の抵抗を試みていたタルティーン公エルンスト軍、500名が、無条件降伏を受け入れ投降しました。国軍1万の圧倒的大攻勢に対し戦線を維持できなくなり、謀反の終焉を決意したとの事です!』

 タルティーン公エルンストは元来、タルティーンを治める荘園貴族。当然のことながらタルティーン郊外にある銀鉱の採掘権を有している。弟を半ば放逐し国家と兵馬の全権を握ったトキールにとって、財政再建と富国強兵のためには何より先に金銀の採掘権を完全に掌握することが優先事項だったのだ。
無論、その権利をおいそれと寄越すような貴族はいない。1個師団の指揮権と、新たに開梱されたばかりの荘園の無償譲渡を提示したが、足元を見すぎたのだろうか。彼はトキールに対し、自らを摂政にするように、という無理難題を条件として提示し、この時点でトキールの逆鱗に触れていた。

『逆賊エルンストを討伐せよ』

 半ば奇襲攻撃のような戦いが始まったのは、1週間前。コリブ渓谷で鹿狩りを楽しんでいたエルンストの背後を、正規軍採用と金銀を条件にした裏取引で参加した傭兵部隊が急襲。エルンストは直ちにタルティーンに馬を走らせ、駐屯していた5000名の兵力をコリブに突貫、傭兵部隊を壊滅状態に追い込んだ上で合流に成功し、タラを目指そうとしたが。
思えば、それ自体がまさしく『囮』だったのだろう。
後方での戦闘に気をとられているうちに、エイリフ国軍精鋭中の精鋭、近衛騎兵第1師団が既に正面と側面に部隊を展開させており、たちまちエルンスト軍は挟撃される。さらに最悪の状況は秘密裏に川を上り、後方に回り込んだ少数部隊がタールを撒いて火を放ち、後方を完全に分断してしまった。同時期、タルティーン銀山で労働者達のクーデターが勃発。悲運が重なり、エルンストはタルティーンに戻れなくなっていた。

 挟撃と兵糧攻めで当初5000あった兵力は、日に日に落伍、脱走が相次ぎ、それでもエルンストを慕う兵士3500名近くは最後まで生命を賭した徹底抗戦を展開。しかし3日前、ついにエルンスト自身が新式武器『サジタリウス』の猛攻に晒され、左腕を吹き飛ばされる重傷。エルンスト軍の士気は大いに低下した。
サジタリウス。はるか東方の国から伝わった、『連弩』と呼ばれる武器がその原型となった機動兵器である。車輪を付けた、大型のボルトを発射する兵器は、一基から一度に35発の一斉掃射を行う。それが全面に20基。当然死傷者が相次ぎ、前線はたちまち瓦解。ついにエルンストは投降を決意し、軍使を送る。ただ最初からトキールは彼の降伏を一筋縄で受け入れるつもりはなく。

『兵自らの手でエルンストの首を取り、それを投降の証とせよ。さもなくば全滅するまで攻勢を掛け続ける』

 兵たちは憤り、最後の総攻撃を敢行するよう提案。それを受け入れたエルンストが先頭に立ち、12時間前、最後の総攻撃がコリブ渓谷で実施された。既に疲弊し、空腹でボロボロの敗軍1200名は、一路血路を開くため正面突破を敢行し、従容として死を迎えた兵士達は、その遺体の埋葬も許されず、未だに渓谷を血とカラスの群れで埋め尽くしている。

 総攻撃は失敗に終わり、改めて軍使が出頭。無条件降伏を受け入れ、停戦となった。
腕を亡くしたエルンストは首に縄をつけられ、前片脚を失った犬の如く四つんばいになるよう、というあまりに残忍な仕打ちを受けた。投降した兵たちが次々に連行され歩き去る中、彼は時速1kmなんてものじゃない速度で炎天下を歩かされる。犬のような姿で。脱水症状を起こすと馬用の鞭で死ぬほど叩かれる。そして水をぶっかけられ、また歩かされる。ついにエルンストは動かなくなる。可哀想なので馬に縄を縛り付けて、引き摺りながら走る。その過程で彼は人事不省の状態でエイリフ首都。タラの正門に入城する。即座に国軍総長のハインリッヒ・バルバロス・フォン=ユンキンゲン指揮の処刑部隊が既に死に掛けの彼の足に新しい縄を掛け、そして。

 逆賊は、タラの正門に逆さに吊るされ、人々の怨嗟の声と唾の中で、その生涯を終えた。
「大総統閣下。無様なモンですね、あのゴミ虫は」
従卒は、黒い軍服…エイリフ国軍第16騎兵連隊…通称『シュヴァルツァーイェーガー』の名誉連隊長の軍服…に身を包む女性に話しかける。
「えぇ。とても無様。そしてその無様による怨嗟が、この国に新たなる血の紋を刻む」
双眼鏡から目を放し、ニヒルに微笑む彼女からは、寒気以上の何かを感じずにはいられない。


…それは、誰も信じなくなった憤怒の権力者と、それを取り巻く、世界の流れの物語。

2011/08/26
20:32
今更ながら世界観。

※ここに記載される事項はあくまでこのブログ限定の世界観です。『マビノギ』および配信元『ネクソンジャパン』とは一切関係ありません。


【トキール公とは?】

本名 トキール・ヴァルプルギス・フォン=ミュンヒハウゼン、エイリフ王国第1王女。聖歴1597年、同王国、ラフ王城生。
幼少の頃より、男児に恵まれなかったエイリフ王国の次期後継者として厳しく育てられるも、父である王の再婚相手、
マリア・ロゼッタストーン公爵夫人(未亡人)の連れ子に男児がいたため後継者争いを更に激化させることに。

上記の理由により、公式の場以外は常にエイリフ国軍の軍服を着用する男装の麗人。

何故暴君化したかは過去の記事を参照のこと。


【このブログの中でのエイリフ王国とは?】

元々は文民により統治させる理性的な法治国家であったが、先々代の国王の頃より他国の圧力に対応するため
(ゲーム世界ではイリアとウルラのみですが、このブログではウルラ大陸の更に北方(タルックマーがいるところの更に北)に大規模な異民族の国家が存在しており、その襲撃に備える意味合い)、強硬な軍拡路線を地でいく姿勢を取り、現在ウルラ大陸では最強の歩兵常備4個師団、騎兵常備2個師団を有する強国である。

錬金術の軍事転用をいち早く行ったり、機動兵器の研究も盛んで、多くの有能な学者や識者を国に受け入れている。
とりわけ『王政錬金術師』と呼ばれる者たちは、莫大な研究費用と各種特権を持ち合わせる、錬金術師の最高峰。

タルティーン正門前にて。















タルティーンは元々エイリフ王国の出城、城塞都市として発展した地域である。
エイリフ王国軍第2歩兵師団が常駐しており、この地から各地への遠征が行われるという。


ダンバートン城壁にて。















ダンバートンは古くよりウルラ大陸の商業の中心として発展し、また、その地域から各地への街道があることから(タルティーン・バンホール・ティルコネイル・イメンマハ)、交通の要衝として隊商が交錯するウルラのシルクロードの分岐点だった。
しかしその地の征服を欲するトキール公配下の軍団によって聖歴1617年初冬に攻囲を受け、翌年2月にエイリフに降伏。完全なる攻囲は糧食攻めの意味もあり、入城時40%の市民が餓死していたという。

そのため現在でもエイリフに対する反発は根強く、たびたび地下組織による補給部隊の攻撃や妨害が行われている。



ダンカン氏と。















ティルコネイルは古くから羊飼いや畑仕事で鍛えられた屈強な精神と、自然溢れる穏やかな環境で培われる人間性が歴史に名を残す戦士を大勢輩出してきた村である。前述の通りで名産品は羊の毛と各種農作物である。元々はダンバートンとの交易で財を成していたが、エイリフ王国にダンバートンが征服されてからは関所が設けられたため自由交易が行えなくなり、現在では生計を立てられず村を去るものも少なくないという。

ただこれをトキール公の策と見るものもいる。村長のダンカンがそれだ。

兵の供出を拒否したために村の女10人と司祭、修道女が焼き殺されたために未だにエイリフを憎んでおり、時こそ来ればダンバートン奪還のために兵を出すことを決めている。



 

2010/11/30
01:19
プロローグ -Bloody berry3-

壁の血を未咲に拭わせる。彼女もさすがに『うげーめんどくせー。お前がやれー』と騎士に吼えていたが、それはそれ。仮にも客人だし、使用人がすべきことでしょ、ということで。

「んで、あたしを王様にしたい、ってか女王様か。して何を企んでいるの?」
「はっ。民心の安定と、精強なる国軍の士気と戦力の維持のため」
「そんなのに私のトキ姉を連れてかれるのはすごい腹立つんだけど」
「ぐっ」
さっきからこの押し問答の連続だ。
りょーこさんの心配もすごーく分かるし、あたしだってそこまで乗り気じゃない。正直あたしの幸せのために来たわけではなく、あくまで見たこともない連中のためにあたしを連れ帰るというレベルの話。そんなものに付き合う必要などない。
だが、こんな小さな家から、大きなお城に住み、自分の思うように国を動かせるというところに魅力を感じないわけでもない。食うに困るわけではないが、狭くてあまりモノが置けない家だ。そろそろ冒険の思い出も溜まってきているし、引越ししたいと思っていたところ。

うん、目先のモノに釣られそうです。
「それで、あたしにはどんなメリットがあるの?」
「はっ。無論国政は全面的に貴族がバックアップいたします。軍事も我々親衛隊が全力で補佐をいたしますゆえ、トキール殿には玉座に座っていていただければ」
「…ふぅん。お飾りね」
「平たく言うとそういうことでございます」
…。
面と向かって言われるとすんごい腹立つんですけど。
「じゃ未咲は?」
「あぁ、あの小さいメイドですか。残念ですが宮中には迎え入れられません。どう足掻いたところで俄か世話人とホンモノは違いますからな」
「…」
あ、未咲がブチ切れた。
「おんどりゃーさっきから聞いてればー!」
「はい、未咲クールダウン」
あたしが合いの手を入れるけど。
「黙ってらんないよ!だって、こいつ勝手に入ってきて壁汚した挙句この言葉だよ?いつものトキちゃんなら斬り殺してるところだよ!」
もっともだ。
さっき出会ったばっかりの人間にこの子とあたしの関係をかんたんに割り切られても面白くない。普通とは違う戦いを乗り越えてきた、いうなれば道を間違えれば二人とも浮浪児寸前の人間だったのだから。

 未咲と出会って、一緒に旅をして、もう5年。
たったの5年か、と数字で割り切るのはかんたんだけど、この小さな体の中の何処にそんなパワーがあるんだってことはあたしが一番良く知っている。何より、こんなかわいらしいチビをどこかのバカ野郎にくれてやるのは途轍もなくもったいないことに思える。だから。


「分かったわ。女王の話受けましょ」
「トキちゃん!」
「でもね、条件があるの。今から書くことを全部護りなさい。さもないとアンタは打ち首」
「!」
騎士を脅し、紙と羽ペンを未咲に用意させ、あたしはインクを羽先につけるのだった。


1.一条未咲を侍女長として雇用すること。
2.旧友との交友関係に一切口出ししないこと。
3.人事(特に登用と罷免)は一切任せること。
4.軍務の全権を委譲し、自らも前線に立つことを許可すること。
5.貴族などを用いた摂政制はこれを禁じ、三部会を招集すること。
6.衣食住の権利はもとより、国家を護る義務に対し、同等の権利で報いること。
7.ペット持込自由。
8.内政・外交は専門の部門を作り、広く情報を取り入れること。
9.既得権益はこれを再配分する。偏りなく磐石の国造りに全力を注ぐこと。
10.以上の条項に従えないものは即位式までに離反を許可する。ただし、その後に不必要な批判を行い民心を動揺させたものは外患誘致として弁解の余地なく断罪するためそのつもりで。


後に10か条の要求として語られるソレは、騎士に苦虫を噛み潰したような顔をさせるに十分だった。そして。
「トキちゃん、私」
「えぇ。問題なく連れて行くわ。安心なさい」
「トキ姉、私はー?」
「将軍職も視野に入れましょ」
「やた」
これくらい美味しいところ貰わなきゃ。これこそ勝利の余韻ってやつね。
「承知仕りました。ただし本国からの承認を待たねば。本日はコレにて御免」
「おっと待ちなさい。途中で破かれても困るし、これはダンカンじいさんのふくろう便で飛ばしておくわ」
「ぐっ」
この騎士、なかったことにするつもりだったな。

果たして後日、本国から10か条要求は承認され、あたしは晴れて一国の主となる運びとなった。アウグスタ1世の言葉を引用する。

---過去にこれほどまで恐れを知らない女はいなかった---


【次回】
なーんとなく薄っぺらく終わったプロローグ。そしていよいよ始まるときるん国盗り伝説。