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マビノギブログ

くまさんサーバーの女帝こと時流さんが持ち前のドSな性格と執念をもってかき乱す物語。とりあえず、お前にレインボー。
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2011/09/14
10:54
第2話 -Deadly more better-

 コリブ渓谷の戦いから更に2週間の時間が流れた。
鎮撫隊がタルティーンとその周辺のインフラを完全に鎮圧・確保し、タルティーン公の資産をすべて押収。
トキールの指示によりタルティーンはそれまでの城塞都市からさらに防御を強固なものにした『要塞』に。
烽火台も四方に増設され、敵の襲撃に備えエイリフ国軍の歩兵師団が駐留を開始した。

 そんな折だった。
「ほう。まだこの近辺にも骨のある諸侯がいたなんてね」
司令部にて、届いた書類を一枚一枚確かめつつ、気になるソレを見つけたトキールがほくそ笑む。
「はっ。心底腐り切った最低の軍団です。いかがいたしましょうか」
その書類というのは、制圧の完了したタルティーンの郊外に『自由都市ダンバートン』の領主、マックス"フュルスト"デトワイラーの
雇われ義勇軍1000名が突如駐屯を開始したというものだった。
「デトワイラーめ。おおかた、ダンバートンを攻めるなという意思表示か、この気に乗じてタルティーン銀鉱でも攻める気でしょ」
「はっ。向こうからは鎮撫に協力するという意思表示がありましたが、その割行商を襲い売り上げや物資を奪っております」
デトワイラーは筵折りの貧乏行商から身を興し、当時まだただの平原だったダンバートンに商人ギルドを設立。
破格のロイヤリティで商人たちを苦しめながらダンバートンを文字通りの自由商業都市に育て上げた男だ。
「汚い商売しながら自らをフュルスト(侯爵)だなんて。どこまで小児病なのよ」
書類の下には、こう追記する。
『逆賊に死を。エイリフ国軍第2歩兵師団に出動を命ず』
無論、署名と王の印璽が押された瞬間、それは絶対的な命令となる。
書簡はその日のうちに早馬でタルティーンに届けられ、第2歩兵師団長 ゲオルグ・アレクサンダー・フォン=メレンドルフは師団に出動を命令。
ネア湖目前の前線にキャンプする雇われ義勇軍の目前に迫るよう指示した。


 「親分、誰か来やすぜ!」
「うるせぇっ、いまいいとこなんだよ!」
行商人の娘を強奪し、フックカットラスを首に突きつけながら犯す義勇軍の親玉。
膣にありったけの精を放ち、そのまま首を掻っ切って殺す。
「孕まれても困るからな。クハハ」
まだテントの前には裸で縛られた娘が4人。犯すメスはまだいる。笑いながらその娘の亡骸を蹴り飛ばし、
皮袋から、娘の血より薄い赤のワインを器に注ぐと。
「ナニをのんきなことを!すんげぇのが来ましたよ!」
「アホかぁ。俺たち1000人の義勇軍様の前に敵は…ッ!」
商人から強奪した双眼鏡を覗く親玉。その光景に唖然とする。
数千の松明が灯され、その大軍が義勇軍の正面に押し寄せてくる。既に右翼前曲に展開していた義勇軍200『匹』は
虐殺を開始されており、逃げ惑うもの多数。雨あられと降り注ぐ火矢が前線のキャンプを焼き払い、体中矢だらけの
ハリネズミにされた兵が逃げ惑う。それを笑いながら斬り殺す狼たち。彼らの黒い軍服は。
「…エイリフだ。エイリフ国軍だ!」
槍(パイク)兵が槍衾突貫を繰り返し、ホンモノの戦争に慣れていない義勇軍は次々敗走。右翼は完全に崩壊する。
土下座して降伏を申し出る右翼指揮官は瞬時に首を刎ね飛ばされ、商人の娘と同じ末路をたどる。足蹴にされる、首のない死体。
その兵力、師団兵力の本部防衛戦力を除いたとしても、8500人。
更に左翼からは最新式の鉄砲『ゲベール』を大量に装備した近衛猟兵第10連隊-ファランクス・イェーガー-が強襲。
左翼に展開していた義勇軍は右翼・本陣隊と違い常に戦線の前方で奮闘していたため戦闘経験も豊富にあったが、
激しい音とともに飛び交う鉛弾の前には。
次々に死傷者を出す中、前線と本陣の中腹に砲撃が始まったのは、2315時のことだった。
「黄燐弾だ!」
「燃える!燃えるゥ!」
黄燐と油脂が放つ強烈な臭いとともに、前線と後方を保つための補給路が炎の壁で分断される。
既にこの時間で前線の両翼は壊滅的打撃を負い撤退中。だが撤退を許さないこの焔の壁と、迫り来る精鋭。
投降を決めた左翼指揮官もまた、先の右翼指揮官同様、剣でそのカラダを木に串刺しにされる。
「お、親分、逃げましょ。このままじゃ、このままじゃ…」
「お、おう、おう…」
所詮部下はデトワイラーから貰った雑兵だ。補充は効くし、姿くらませばこっちのもの。
だけど、腰が抜けて立ち上がれない。動きたくても動けない。黄燐弾は次々に打ち込まれ、その有毒ガスで声も出ない。
「お、やかた…」
ドサッ。部下が一人、また一人倒れていく。最悪なことにこちらは風下。有毒ガスから逃げる術などなく。
「う、おおおお…」
顔がたちまち青くなり、そして。
彼もまた、ピクリとも動かなくなった。


 「フュルスト、何か届いていますよ」
「おうおう。商人からの貢物だろう。よきに計らえ」
「はっ。では…」
丁寧に包装された何かのビンのリボンを解くと…。
彼は、顔面蒼白になった。
「…」
嘔吐。
義勇軍の親玉の首級が、ホルマリン漬けで贈られてきたのだから。
『臣下の礼を取らぬ逆賊は、このような目に遭うことになる。今すぐ恭順せよ』
トキール直筆の手紙が彼の眼に入ると、エセ侯爵は顔を真っ赤にして。
「抵抗じゃ!徹底した抵抗じゃ!」
書簡を破り捨てる彼。しかし、命知らずに付き合う義理はない。
その晩のうちに、彼の側近の半数が、家族をつれダンバートンを離れたという。


【戦闘詳報】

参加部隊:エイリフ国軍第2歩兵師団および近衛猟兵第10連隊 総数10200名
       戦死:6(ただし味方の誤射によるもの4名)、負傷50名、行方不明:0名

敵戦力:ダンバートン雇われ義勇軍 総数1000名
     戦死:966名、捕虜4名、行方不明:30名

1915時 戦闘開始。
1944時 右翼前曲の雑兵壊滅。

2032時 左翼全面が近衛猟兵の攻撃を受け敗走開始。
2122時 両翼が壊滅し敗走を開始。

2248時 砲兵隊に黄燐弾が到着、前線の全兵力に後退を下命。
2250時 その様子を見た生存部隊の一部が国軍に反撃、同士討ちが一時発生する。

2315時 黄燐弾第1弾が前線と後方を分ける細道に着弾。
2338時 この頃、本陣周辺にも黄燐弾が着弾。本陣にいた者たちはこの前後に死亡したものと推測される。

0218時 生存していた義勇軍生存者4名が降伏し、戦闘終了。
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