2024/03/29 02:51 |
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2012/05/23 19:59 |
侍女長の日記 |
正直な話を言えば、もう、お嬢様の考えがまったく理解できない。
王として、そして悪魔として振舞う彼女の所業は筆舌に尽くしがたく、我がキーゼルバッハ家の
ミュンヒハウゼン家に対する忠義は、最早私の代で終わってしまうかもしれない。
先日、一人の男が処刑された。
アルフレード・ファナーティカー・フォン=ビュステンハルター。
侍従官の一人で、私の母の弟…つまり叔父に当たる人物だ。
若い頃から放蕩者で、この仕事だって、母が父に嫁ぎ、その縁故でありついたに過ぎない。
ただ問題は、彼が処刑されたことではない。
その処刑を、私自らの手で行うように、お嬢様が命じたことだろう。
そもそもの問題は、私にあるのかもしれない。
お嬢様は日ごろから私をよく労ってくださった。勿論言葉で言い表すのが上手ではない彼女だ。
モノで私を労うこともあった。しいて言えば、宝石の類だ。
私とて女と言う生き物であるから、当然宝石の美しさに惹かれる。お嬢様は気をよくして、
どんどん倉庫からダイヤモンドを持ってきてくださった。
しかしそれが侍従官で宝物庫管理を任されていた件の放蕩者にバレる。
下賜するなら武器にしろ、国民共有の宝石を無駄にするな。
…しかし、彼女は知っていたのだ。
この放蕩者が、度々ダイヤやエメラルドを盗んでは、換金し女を買っていたと。
そして取り分が少なくなるのを危惧した放蕩者が独自でリストを作っていたことも見抜いた上で、
私にダイヤを下賜し、この男が動くのを待っていたようだった。
かくして彼は捕らえられたが、それだけならざまぁないと言い切れる。
『ミサ、お前が処刑するのよ』
その言葉を、一瞬理解できないでいると。
『家の誇りとこの下賎な男の命、どちらを取るの?』
また、悪魔はこうも言った。
『殺せない、と言うのであれば、お前の祖父母を処断する。なぁに、用済みの絞り粕だ』
ワインを開けると、彼女は縛られ床に転がされていた叔父の耳を剣で斬り飛ばす。
絶叫。しかしただでは死なせない。
のた打ち回る叔父の周りにマキビシを撒く。
それはたちまちカラダに突き刺さるが、特別仕様なので深くは刺さらず、微量の出血と激痛のみ。
『アはははははハハハハッ!』
壊れた笑いとともに、彼女は私に剣を向け。
『さぁ、殺す?殺さない?お前の絞り粕の屋敷は既に親衛隊が包囲している』
『私が手元のボタンを押せば彼らに連絡が飛び、即座に絞り粕ドモは首を刎ねられ屋敷は焼かれる』
『それでもなおこの反逆者に肩入れするのであればお前の父母も容赦なく殺す』
脅迫。
しかしそれは私を黙らせるだけの力があり。
『…かしこまりました』
その言葉を搾り出すのが精一杯だった。
かくして放蕩者、ビュステンハルターは、タラ中央広場特設会場にて。
死ぬほど赤ワインを飲まされた上で斬首となった。
死に際、死にたくないと大声で叫び逃亡を図ったため、背中に5本の剣を刺され、
最期に、私に首を刎ね飛ばされ。
死体は埋葬禁止令が出ているため、今でもあの場所に転がっているだろう。
野犬に食い荒らされているかもしれない。だが、それを埋める気にはなれない。
お嬢様は、未だに親衛隊の攻囲を解いていない。迂闊なことをすれば祖父母が殺される。
何のことはない。金を無心に来る姿しか思い出せないゴミのような男だったではないか。
…そう、お嬢様が、正気に戻ると信じよう。
今は、それだけしか出来ないから。
王として、そして悪魔として振舞う彼女の所業は筆舌に尽くしがたく、我がキーゼルバッハ家の
ミュンヒハウゼン家に対する忠義は、最早私の代で終わってしまうかもしれない。
先日、一人の男が処刑された。
アルフレード・ファナーティカー・フォン=ビュステンハルター。
侍従官の一人で、私の母の弟…つまり叔父に当たる人物だ。
若い頃から放蕩者で、この仕事だって、母が父に嫁ぎ、その縁故でありついたに過ぎない。
ただ問題は、彼が処刑されたことではない。
その処刑を、私自らの手で行うように、お嬢様が命じたことだろう。
そもそもの問題は、私にあるのかもしれない。
お嬢様は日ごろから私をよく労ってくださった。勿論言葉で言い表すのが上手ではない彼女だ。
モノで私を労うこともあった。しいて言えば、宝石の類だ。
私とて女と言う生き物であるから、当然宝石の美しさに惹かれる。お嬢様は気をよくして、
どんどん倉庫からダイヤモンドを持ってきてくださった。
しかしそれが侍従官で宝物庫管理を任されていた件の放蕩者にバレる。
下賜するなら武器にしろ、国民共有の宝石を無駄にするな。
…しかし、彼女は知っていたのだ。
この放蕩者が、度々ダイヤやエメラルドを盗んでは、換金し女を買っていたと。
そして取り分が少なくなるのを危惧した放蕩者が独自でリストを作っていたことも見抜いた上で、
私にダイヤを下賜し、この男が動くのを待っていたようだった。
かくして彼は捕らえられたが、それだけならざまぁないと言い切れる。
『ミサ、お前が処刑するのよ』
その言葉を、一瞬理解できないでいると。
『家の誇りとこの下賎な男の命、どちらを取るの?』
また、悪魔はこうも言った。
『殺せない、と言うのであれば、お前の祖父母を処断する。なぁに、用済みの絞り粕だ』
ワインを開けると、彼女は縛られ床に転がされていた叔父の耳を剣で斬り飛ばす。
絶叫。しかしただでは死なせない。
のた打ち回る叔父の周りにマキビシを撒く。
それはたちまちカラダに突き刺さるが、特別仕様なので深くは刺さらず、微量の出血と激痛のみ。
『アはははははハハハハッ!』
壊れた笑いとともに、彼女は私に剣を向け。
『さぁ、殺す?殺さない?お前の絞り粕の屋敷は既に親衛隊が包囲している』
『私が手元のボタンを押せば彼らに連絡が飛び、即座に絞り粕ドモは首を刎ねられ屋敷は焼かれる』
『それでもなおこの反逆者に肩入れするのであればお前の父母も容赦なく殺す』
脅迫。
しかしそれは私を黙らせるだけの力があり。
『…かしこまりました』
その言葉を搾り出すのが精一杯だった。
かくして放蕩者、ビュステンハルターは、タラ中央広場特設会場にて。
死ぬほど赤ワインを飲まされた上で斬首となった。
死に際、死にたくないと大声で叫び逃亡を図ったため、背中に5本の剣を刺され、
最期に、私に首を刎ね飛ばされ。
死体は埋葬禁止令が出ているため、今でもあの場所に転がっているだろう。
野犬に食い荒らされているかもしれない。だが、それを埋める気にはなれない。
お嬢様は、未だに親衛隊の攻囲を解いていない。迂闊なことをすれば祖父母が殺される。
何のことはない。金を無心に来る姿しか思い出せないゴミのような男だったではないか。
…そう、お嬢様が、正気に戻ると信じよう。
今は、それだけしか出来ないから。
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無題
2012年05月23日水
しっかしこっちのときるん荒みすぎて心が痛い
そんなことは…。
2012年05月25日金
まぁ荒んでるって言えば荒んでるw
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